わが思い出のプチプチ・平成編

私がプチプチを「再発見」したのは、昭和末期から平成初頭にかけてのことだ。

当時勤務していた自動車関連の会社で、部品の梱包などに縦横1メートルくらいのプチプチを使用していたのである。
それまではクッキーやチョコレートの箱の中に使われる小さなプチプチしか知らなかったので、最初は「おーっ、豪快!」と感動したものだ。

現在では、宅配便で送る荷物の箱全体を外側からプチプチでくるむことも珍しくない。ホームセンターに行けば、ロール状の長さ数十メートルもあるプチプチを売っている。しかし、当時はまだそういったことが無く、「プチプチは小さなもので、ひとつひとつ丁寧に扱うものだ」というイメージだった。

それが、メートル単位で豪快に扱っているので、大量生産でガンガン作っているんだな、ということに改めた気づいたわけである。

(ちなみに、当時勤務していた会社では、プチプチを「エアーパッキン」と呼んでいた。そのため私は、長いことプチプチの商品名を「エアーパッキン」だと思っていた。正しくは、緩衝材としての一般名が「エアーパッキン」であり、商品名が「プチプチ」である)

さて、勤務先の会社でアメリカに現地法人を設立することになり、テスト用の部品を日米間で送ったり送られたりするケースが出てきた。日本から送る場合は、部品をひとつひとつエアーパッキン──プチプチで包み、それを段ボール箱に入れて送っていた。

ところが、アメリカから送られてくる部品は、様子が違っていた。

発泡スチロールで作ったポップコーン、というか、お菓子のカールみたいなものをダンボール箱に入れて、その中に部品を埋めて送ってくるのである。

ポップコーン状・カール状の緩衝材が入っているものの、部品はポップコーンの中で動き回って位置がずれる。部品同士がぶつかりキズが付いたり、ダンボール箱の隅に寄って突き破ることもある。

そもそもアメリカの梱包では、緩衝材が箱いっぱいに入っておらず、部品が箱の中を自由に動き回るのだ。日本人だったら、同じ緩衝材を使うにせよ、箱いっぱいに詰めて部品が動かないようにするはずだ。

また、部品をそのまま入れてあるので、発泡スチロールの小さな破片が部品一面に付着していた。

発泡スチロールの緩衝材でもいいが、部品を裸で直接入れるのではなく、いったんビニール袋に入れてから詰めろ、緩衝材は箱いっぱいに詰めろ、などという指示がいちいち必要なのだ。

こういった海外からの輸送トラブルを、その後いろんなところで耳にしたが、日本人は几帳面だと思う。海外では(特にアメリカでは)、「入れといたから、いいだろ?」的な、単に「送っただけ」というケースが少なくない。

物の保護を考え、工夫を凝らしたプチプチのような製品を開発するきめ細かさは、日本人ならではだと思う。

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